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「今を振るまうために、」

こちらの記事は

譜面絵画 vol.10『郷愁という惑星?』の公演中止に関連した企画となっております。

イベントの内容としては、

①演劇作品『郷愁という惑星?』お別れ会

②座談会「演劇の役割は混乱の中でどうあるべきか?」

の2点です。

先日こちらのイベントをオンライン(Zoom)上にて実施いたしました。

この内容をWeb記事としてまとめていきます。

 

こちらはお別れ会の模様となっています。

​座談会の記事はこちらからお読みください。

 

参加者(敬称略・五十音順)

牛島青

大川あやの(譜面絵画)

落合比奈

小見朋生(譜面絵画)

河﨑正太郎(譜面絵画)

黒岩玲音

黒澤多生(青年団)

小玉みのり

名古屋愛(青年団)

松浦みる(いいへんじ)

松﨑義邦(東京デスロック)

三橋亮太(譜面絵画/青年団)

宮ヶ原萌(譜面絵画)

吉池愛

(以上、『郷愁という惑星?』座組みメンバー)

 

石倉来輝(ままごと)

内田倭史(劇団スポーツ)

奥萌

並木雅弘(はりねずみのパジャマ)

土屋康平(喜劇のヒロイン)

中島梓織(いいへんじ)

本橋龍(ウンゲツィーファ)

演劇作品『郷愁という惑星?』お別れ会

三橋「みなさん、お集まりいただいてありがとうございます。最初はお別れ会の方を始めて行きたいと思います。お別れ会をしてから座談会の方に入りたいと思います。それではここからは河﨑くんお願いします。」

 

河﨑「よろしくお願いします。本日はお集まりいただきありがとうございます。それではこれより譜面絵画 vol.10『郷愁という惑星?』のお別れ会を開催させていただきます。まず初めに、開会の辞を、作・演出をつとめました三橋亮太より述べさせていただきます。」

 

三橋「今回、作・演出を担当していました譜面絵画の三橋亮太です。これよりお別れ会をはじめていくのですが、その前に今回の企画に至った経緯についてお話しをさせていただきます。今回の演劇公演は2020年の3/26(木)~29日(日)にSTスポット横浜にて上演をする予定でしたが、先日、STスポットから連絡が来て、臨時休館を延長すると伝えられたことで、上演の中止を決定いたしました。この企画を行うとツイッター上で発表した時の文章にもある通り、このような混乱の中で演劇にはどんな価値や役割があるのか。今演劇をしている私たちはどのように振る舞ったら良いかを考えるために、そして、この模様を文章として公開することで、演劇に携わっている人への将来に向けた礎になることを願って、この企画を催させていただきました。そして今回のお別れ会というのは、私たちが作品と決別をするための営みとなっています。では、これよりお別れ会を開催させていただきます。」

 

河﨑「それでは、作品について簡単に紹介していただきたいと思います。」

 

三橋「上演時間は80分を予定していまして、各回の上演後にはテーブルトークを設けて、お客様とともに自由に感想や思ったことを話したりするための場を実施する予定でした。出演者は8名を予定していました。そしてスタッフの皆さんも現在この話し合いに参加していただいています。この作品の始まりは、2018年の9月20日でした。今回の上演作品には元となる台本がありまして、それは僕が高校生のときに卒業公演として書いた台本です。その作品の上演は2016年の3月25日でした。今回の公演である『郷愁という惑星?』の最後の稽古日、無事に完本をした台本をみんなで読み合わせをしたその時の模様をご覧いただきたいと思います。」

 

 

ここで読み合わせの模様の映像が流れる

三橋「ご覧いただきありがとうございます。ここで作品へ決別をつけるために黙祷的なことをしたいと思います。座組みのみなさんが、作品にでも各々にでも自分にもでも良いので「ありがとうございます」と言うことで終わりにしようと思います。」

 

座組みメンバー「ありがとうございます。」

 

三橋「ここから献杯と会食に移りたいと思います。みなさんお手元に飲みものをご用意していただいてもらいまして、献杯。」

 

 

全員で献杯をする

 

三橋「では、これより上演中止や延期になった作品について振り返る形で話を進めて行こうと思います。じゃあまずは僕から話します。上演中止が決まった時の話をすると思ったよりショックというかダメージは食らってないです。こうやって人と話せている状態がいいなって今は思えているのと、オンラインだけれどこうやってお別れ会としてケジメをつけることができてよかったと思ってます。土屋さんはどうですか。」

 

土屋「(自分の劇団の)作品には今回自分は関わっていないんですけど、コロナの影響で上演中止というか上演が延期になったんですね。ちょっとしたら収束するかと思ってけどまだ続きそうだし、5月頭の公演もどうなるかわからなくて今も会議されてます。家にいろって言われるけど、バイトできないからお金も貯まらないし、文化庁長官が言ったことも響かなかったし。でも、こういう時こそ演劇がどうにかしてくれるんだと思ったりもしましたね。こういう状態をおもしろおかしくしてくれる作家さんとかがいるといいかなって思ったりもしました。

三橋「内田さんはどうですか。」

内田「僕ら劇団スポーツの公演は3月と4月にそれぞれ予定をしていたんですけど、一つは王子の演劇祭のやつ、もう一つはオフィス上の空がやってるプロデュース公演に参加する形だったので、どちらも自主公演ではないけれど、両方とも中止になりました。「ずーっとできるのかこれ、できないんじゃないかこれ」って空気感で作らざるを得なかったんで、中止になった時はそこまで落ち込むわけではなくて、今回中止になった作品はいずれ僕らは上演するつもりなので、「あ、そっかお別れ会しといたほうがよかったかな、座組みを中途半端に終わらせてしまったかな、」と思いました。だからというわけじゃないですけど、今回みたいに区切りをつけていたのは面白いなと思いました。」

 

三橋「ありがとうございます。並木さんもお話を聞かせていただいてもいいですか。」

 

並木「内田さんと同じで、王子小劇場の佐藤佐吉演劇祭に参加していて、演劇際自体が中止になってという形で、僕もそこまでうちのめされるって感じはなかったんですけど、出演者にお笑いサークルをしている人をブッキングしていて、それが作品においてどうなるかなっていうのが自分の中で楽しみではあったんですね。作品としてはせっかく人が集まったから新宿のライブ会場を1日だけ押さえて、そこで「このご時世だけど集まれる人いますか」って声をかけて、で、集まるお客さんにもそう伝えて、みんなでパッションをぶつけるわけじゃないですけど、そうやって自分たちなりにお別れはできたんじゃないかなって思ってますね。」

三橋「本橋さんどうですか。」

 

本橋「僕の方も公演中止になったんですけど、映画美学校ってところの終了公演だったんですけど、学校の終了公演だったから、中止ってなって、みんなでなんか涙ボロボロって感じでうわーって感じになってて、で、なさけねぇっていうか自分もめちゃくちゃ泣いちゃってて。で、会場入りもしてて、ガンガン本番に向けて、もう本番って感じで建て込みもしてて、そのとき夕方だったんですけど、この後も稽古するか?ってなって、ちょっと一回解散しましょうってなって、僕、外に出て、ひとりさめざめ泣きながら住宅街歩いてたんですよ。そしたらなんか、団地の先の方でモゾモゾなんか動いてて、目を細めてよく見たら、たぬきがいるんですよ。たぬきが地面のなんか土掘ってて、近づいてもぜんぜん気づかないんですよ。だからぐーっと近づいて、で、その近く座ってずっとこうやって観察してたんですよ。そしたらぱっと俺の方気付いて、ぱぱぱって去ってったんですけど、なんかその背中を見て、「あ、そうだよな」って思って。で、解決しましたわっていう、僕のパターンでした。」

 

三橋「いいですね(笑)じゃあ、(今回のこういう話題)フレッシュだと思うけど、おぺちゃんはどうですか。」

 

中島「私は、Pitymanの『ぜんぶのあさとよるを』って作品に出演する予定だったんですけども、それは公演が4月の20日から26日で今から一ヶ月ほど先で、で、このあいだ都知事から外出の自粛要請が週末に向けて出されたから、「今週の稽古をおやすみにして、劇団員で話をさせてください」とPityman代表の山下さんからお話が来ました。劇団員の方が出した答えは、この先どうなるかわからないっていう状況の中で、稽古場も閉まっちゃうし、今後このような状況で、お客さんも、作っている私たちも大丈夫かなって状況で創作をしても作品の担保ができないことと、参加しているそれぞれの大事を考えて、結論を出されたっていうのを、おとといの朝に聞きました。で、まだフレッシュで、それこそみなさんの話を聞いてると、ウッてなっちゃうんですけど。私は今回は、客演で出演するって立場だったんですけど、自分も団体を主宰しているので、自分が主宰で公演を打つってなったら、どちらかというと安全をっていうか、いろんな人が危険な状態に晒される状態を考えちゃうっていう感じだと思います。それこそ今はいろいろな団体が答えを出していているけれど、それぞれの答えは尊重されるべきだと思いますね。私は今回はPitymanの皆さんが出された答えを尊重しようって思っています。で、今度ちゃんと集まって終わりにしようって話をしてます。お返しします。」

 

三橋「やっぱりこれからも(上演中止になる団体が)増えてきますよね。自分も3月中旬のときは3月末の公演だから行けるでしょって思ってたけど、蓋開けてみたら外出自粛要請が出てたりしましたね。」

 

中島「なんか、山下さんから伝言的なのもらったんですけど、本番直前でこういうことになったりして、いたしかたなく中止にしたところが今回多いけれど、今回Pitymanはどちらかというと自主的に中止をしたって話があって、で、この話は、どちらがどうとかそういうのじゃないんですけど、そこも、それぞれ違うんだろうなって話です。」

 

三橋「なるほどそうですね。ありがとうございます。では一度お別れ会を締めて、この濃厚さを保ったまま座談会に入らせていただきたいと思います。式として終わらせるためにもう一度河﨑くんに戻したいと思います。」

 

河﨑「はい。お時間となりましたので、閉会とさせていただきます。最後に、閉会の辞を三橋からお願いします。」

 

三橋「それでは、これにてお別れ会を終わらせていただきたいと思います。今回の『郷愁という惑星?』の座組みのメンバーには、作品へ手向けたいものを各々で用意してもらっています。みなさん準備していただいてもいいですか。ありがとうございます。では、スクリーンショットを撮らせていただきます。」

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座談会

「演劇の役割は混乱の中でどうあるべきか?」

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