タイトルの通り、私たち譜面絵画は9月に公演を予定していましたが、中止になっておりました。
今回予定した公演は、「映像公演」として予定をし、9月1日から稽古をしていました。
「映像公演」と冠したこの公演は、映像上で演劇的体験は起こすことができるのかを模索するために始まりました。スマートフォン上での閲覧を前提とした作品づくりを行い、そこで鑑賞と体験のどちらにもフォーカスを当てたいと考えていました。
私たち譜面絵画は、”現実(社会)と虚構(作品)のあいだに流れるものは想像力である”と定義した上で演劇作品を作り続けています。今回制作しようとしていた映像作品も例外ではなく、私たちが劇場で、俳優や現象を凝視(鑑賞)してきたように、想像力を介した上で端末上と端末内のどちらにおいても現象を凝視するような体験を制作するために準備をしていました。つまり今回の作品では光の粒となった俳優の営みを通し、自由に想像力を積み上げてもらうために、と考えていたということです。
中止となった理由は、撮影を予定していた会場が使えなくなってしまったことにあります。
撮影予定日の二週間前に会場使用の不可が決まり、次の会場を検討していましたが、作品内容に適した会場はどこも使用できず、中止としました。
本来予定していたスケジュールでは、10月中には編集を終え、映像公演として発表する予定でした。
今回ひとつ感じたことは、公演の中止を決断するタイミングの難しさでした。通常、演劇公演だった場合、会場の使用不可が確定した時点で、公演の中止を決断することがその時点で決定できますが、今回のように他の会場を検討すればまだ出来るかもしれないと考えられる点で映像と演劇の差を感じました。
ですが、すでに書いたように適した会場が他には空いておりませんでしたので、今回の公演は中止です。
今回予定した映像公演は中止となりましたが、ここまで関わったメンバーと作品情報を以下に書かせていただき、今回のお知らせを終わりにしたいと思います。それぞれに切り火を打つように見送りながら、またいつか集まって作品を作ることができたらいいと思っています。
公演名:
譜面絵画 vol.10.5 映像公演『誰もが旅に出る理由(自由)』
出演予定:
小見朋生(譜面絵画)
河﨑正太郎(譜面絵画)
宮ヶ原萌(譜面絵画)
新門岳大
小林真子
スタッフ:
脚本・演出・宣伝美術 三橋亮太(譜面絵画/青年団)
制作 大川あやの(譜面絵画)
制作補佐 河﨑正太郎(譜面絵画)
照明 黒岩玲音
音響 落合比奈
映像アドバイス 村山和弥
文章 三橋亮太
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